授業風景
「組織マネジメント論」の授業を紹介します。
本日ご紹介するのは「組織マネジメント論」の授業です。
本講義では、個人のキャリアを通して組織における個人の行動特性やモチベーションを学ぶことで、やりがいや働き甲斐のある組織を創ることができるのかを考えます。近年では、企業や自治体にとどまらず、非営利組織(NPO/NGO)など利害関係者(ステークホルダー)が広がっています。学生自身の夢や、やりたい事を照らし合わせながら、経営組織やそのマネジメント手法について理解を図ります。
これまでの授業では、担当教員である千賀喜史専任講師により、仕事に取り組む上で必要な個人の欲求と行動、会社の形態、付加価値を生む価値創造プロセス、人をまとめる上で必要なリーダーシップ理論やモチベーション理論、個人の欲求を明確にするキャリアアンカーやキャリアプランニング、さらに組織運営に必要な経営理念や組織文化、それらを管理する組織形態などを学んできました。
この日の授業では、担当教員の大学院時代の同期である多賀公人さんにゲストスピーカーとしてお越しいただきました。多賀さんは、民放テレビ局キャスター兼プロデューサーとしてご活躍され、プロゴルファー石川遼選手の愛称「ハニカミ王子」(流行語大賞)の名付け親としても知られています。現在はキャスター兼プロデューサーとして独立し幅広く活躍されています。また、ブランディング、マネジメント、制作会社の3つの会社も経営されています。
授業では「一般企業と起業と芸能界と」というテーマで、多賀さんのキャリアやターニングポイントをたどりながら、進路を考える上で大切なことや就職活動についてお話しいただきました。多賀さんは、これまで民法テレビ局でアナウンサーのみならず、ディレクターなども経験し、さらにキャリアの途中で経営学を大学院で学び、ご自身で起業されています。組織マネジメントの授業では、キャリアアンカーを中心としたキャリアプランニングや、価値創造におけるビジネスモデルの開発、さらに組織運営などを経営者の視点から理論と実践の違いなどを語っていただくためにお呼びしました。
授業の始めに「みなさんが目指す世界はどんな世界ですか?」と多賀さんから質問され、学生が素直に今の気持ちを答えていきました。
ある学生が、どちらかがダメだった時のために...と2つの道を考えていると答えると、「第一志望のことばかりを考えていたら、挫折した時に大きく心が折れてしまう。夢を追いかけつつも、自分はこの道でもやっていけるな、自分らしく働けるなというセカンドベストを持つことが大切」とのお話がありました。
また、多賀さんからセルフプロデュースのお話がありました。
多賀さんは、長年アナウンサーとしてご活躍されるなかで、このままでいいのだろうか?と心がざわつく瞬間があったそうです。そこで、よりレベルアップしたアナウンサーになるために他の人がまだ挑戦していない、英語で実況できるアナウンサーを目指そうと決意されたそうです。
そして、仕事を続けながら、英語の勉強を進め留学を実現させました。結果として、自分の価値を高めることができ、アナウンサーとしても長く活躍できたそうです。さらに、もっと自分に磨きをかけようと大学院へ進学したり、キャリアコンサルタントの資格を取得するなど、自分が輝くためには何が必要かを常に考えて行動するよう心がけているそうです。
受講生の中には放送局や舞台関係の就職を考えている学生もいましたが、新卒枠の少なさやテレビ局でのアルバイト経験がないと不利になってしまうのではないか?といった不安を持っている人もいるようでした。
「宝くじは買わないと当たらない、何事もまずは一歩踏み出してみることが大切。努力と準備をとことんしてダメなら、その時考える!これからいくつもある転機を好機ととらえて頑張って!」と背中を押していただきました。
最後に学生からの質問に答えていただきました。
Q インターンに参加するときの心構えは?
A.インターンシップ先の人に愛されるように全力を尽くす。もし、この会社は自分に合っていないかもしれないと思っても、受け入れてくれた先には感謝をする。ないがしろにしていたら、チャンスを逃すかもしれない。みんながあなたを応援したくなるような行動をするのが良い。
Q 現在、好奇心が失われている。こういう時はどのように就活すれば良いか。
A.流されてみたらいい。みんながやってるからやってみようかなを繰り返すうちに、何かが見つかるかもしれない。何かが見つかることを信じて、目の前の勉強等を頑張ると良い。何か興味が湧いたときは、そのサインを見逃さないように。
多賀さんが学生一人一人の目を見ながら、向き合って話をされる様子がとても印象的でした。また、多種多様な業界での裏話といった興味深い話から、キャリアに関する専門的なお話、そして人生の糧となるような様々なアドバイスをいただき、就職活動を控えた3年生の学生達にとって非常に有意義な時間となりました。