授業風景
集中講義「経済学」の授業を紹介します
本日ご紹介するのは集中講義「経済学」の授業です。講師として、法政大学の教授で経済学者の水野和夫さんに来ていただきました。本講義では、世界と日本が抱える課題を経済の観点から解明していくことを大きな目標としています。
講義の初めに、公式帝国と非公式帝国のお話がありました。公式帝国とは、皇帝が国を治めている国のことを意味します。反対に非公式帝国とは、国民国家が帝国の役割を担う国のことを意味します。20世紀でいうところの東はソビエト、西はアメリカなどが非公式帝国として存在感を持っていたそうです。それに関して、資本主義社会や社会主義等についても詳しく解説がありました。
資本主義とは何か?という説明の中で、資本(貨幣)とは「種子」である(13世紀頃までは貨幣は石であるとの考えが主流だった)というお話がありました。例えば、農民がブドウの種を買いたい時に、お金持ちの貴族から100万円を借りたとします。数年後、ブドウの実がたくさん収穫できるようになると、農家はワインを作ることができます。そうすると農家が当初100万円で貴族から借りたブドウ畑が300万円の価値を持つようになります。最初は100万円だったブドウの種が、数年後に300万円になるというのは、資本(貨幣)が種子と同じで育つ・増えることを意味します。
また、講義最終日には「我慢の日本人と毎日を楽しんでいるアメリカ人」というお話もありました。生産物に占める個人消費の割合を分析することで、現在の満足度を高める個人消費をしているかどうかを知ることができるそうです。日本人は戦後から現在に至るまで貯蓄・我慢を増やして消費の比率を下げていったのに対して、アメリカ人は貯蓄をせずに、現在を生きるために積極的に消費をしている傾向があるそうです。
3日間の講義で、様々なトピックについて経済学的な視点から解説がありました。今まで経済を学んだことがない学生も「先生が基本的なところから丁寧に教えてくださるので、とても勉強になった」と話していました。