授業風景
「リーダーシップ論」の授業を紹介します
本日ご紹介するのは「リーダーシップ論」の授業です。
本講義では、グループ討論やロールプレイを通じて、リーダーシップに関する実践的な能力を身に付けてもらうことを目標としており、学生時代に必要なリーダーシップ及び社会人になってから特に重要なリーダーシップのそれぞれにおいて一緒に考えながら修得を目指します。
今日の講義では、ゲストスピーカーとしてマティアス・フォークト先生にお越しいただきました。フォークト先生はドイツのゲルリッツ大学で、文化政策および文化史の教授を務めています。現在、客員教授として本学に約1ヵ月滞在されています。
この日は『但馬のリーダーシップの課題』という内容で講義をしてくださいました。但馬の様々な場所に足を運び、この地域の文化と観光を研究されているフォークト先生の視点から、豊岡の現状や課題についてお話がありました。フォークト先生の講義は全て英語で行われました。担当教員の山中先生が適宜、通訳や解説をしていたため、学生も内容を十分理解することができました。
講義の最初に、豊岡市の様々なデータを分析しました。出生率と死亡率、進学や就職などの理由で豊岡を離れた人、引っ越してきた人、世帯数、年齢分布、外国人移住者など多岐にわたるデータを分析し、そこから読み取れる豊岡市の課題を学生と議論しました。少子化が進む理由として、子育てをするうえで"Optimistic"(楽観的)な見通しを持てる人が少なくなっていることが原因ではないかとの話がありました。
また、豊岡市内で子供たちが楽器を演奏する動画を見て「この動画のなかでリーダーシップをとっているのは誰だと思う?」と学生に質問がありました。学生が指揮者がリーダーシップをとっていると返すと、「その通り」と言い、フォークト先生は次のように説明されました。
「子どもたちは、プロのように演奏がぴったり合うわけではない。指揮者はそれを分かっているが、子どもたちが心から演奏していることも分かっている。指揮者は子どもたちの心を邪魔せずに、必要最低限の指示を伝えている。これこそがリーダーシップに必要な態度だ」
フォークト先生がこの但馬の地で実際に見たこと、感じたことをありのまま共有してくださり、豊岡での生活が2年目に入った学生達にとっても大変貴重な時間となりました。