授業風景
「コミュニケーション演習」の授業風景
本日紹介するのは「コミュニケーション演習」です。
この講義では、実際に身体を動かす演劇やダンスのワークショップと、理論に関する講義を交互に行い、実践を通じてコミュニケーション能力を身につけてもらうことを主眼としています。
また、この講義は複数教員のオムニバス形式で行われており、今回は石井路子教員の講義を紹介します。
手で筋肉を叩いたり、加減しながら骨回りをこぶしで叩いたりと、柔軟体操とは少しちがう動きも取り入れながら、床との接地面積や可動範囲などの身体の変化を感じつつ、準備運動を行っていました。
床の上を歩き続けるワークです。
ただ歩くだけではなく、指定された範囲の床の上を、全員でバランスよく歩いていきます。人がいる場所・いない場所が片寄らないように、周りを見ながら歩きます。スピードを落とさず一定のリズムで、大きく手を振りながらぶつからないように空間を把握するのは、意外と難しそうです。
歩ける床の範囲をどんどん狭くしていくと、スピードを落とさず、ぶつからず歩き続けるのは至難の業です。集中し、自分本位にならず、常に空間を意識しながら、周りの人との関係の中で自分の身体の動きを成立させていきます。
そのワークを、歩くだけでなく走ったり、手足を使った四足歩行でも行いました。
以下は、脱力 ワークの様子です。
目をつむって大の字になり、身体の力を徐々に抜いていきます。無意識に力が入っている関節をゆらし、眼球から内臓まで、重力に従わせ脱力することに集中します。
日々を過ごし日常の様々なことを考えるだけで、無意識に身体に力が入っています。意識して脱力できるようになると、身体のオンとオフがコントロールできるようになり、疲れず長く動き続けられるようになるそうです。
ペアで脱力 ワークの確かめをしています。寝転んでいる方は身体を動かす手伝いをせずに、完全にペアに動きを委ねた状態でいられるよう意識しています。
この時、どんな時に力が抜けやすく、どんな時に力が抜けにくいかを自分で分析していきます。できる部分もできない部分も把握することが重要だそうです。
最後に、背中合わせのワークを行いました。
目に見える合図や言葉はなしで、背中だけで息を合わせ立ったり座ったりします。最初はうまく立ち上がれないペアも、数回練習すると成功しました。
相手がどう動こうとしているか、背中合わせの見えない相手に耳を澄ましつつ自分の身体を動かすと、うまくできるようになるそうです。
一人が集中していないと、タイミングが合わずうまく立ち上がることは出来ません。
ペアからだんだんと人数を増やしていき、最後には全員で立ち上がることに成功しました。
学生からは、「普段使ってる方(利き手・利き足)が感覚が研ぎ澄まされているように感じた」「脱力って力を入れる時より難しい」などの感想がありました。自分の身体を知ることで、相手やあらゆる場でのコミュニケーションに繋げていくようです。