授業風景
「観光交通論」の授業を紹介します
講義や演習科目などの理論をメインに学ぶ、第3クォーターが始まりました。
本日ご紹介するのは「観光交通論」の講義です。本講義では、現代の我々にとって馴染み深い観光の成立に、交通の発展がどのように関わってきたのか、世界・日本・但馬それぞれの歴史に触れながら概説します。
今回の講義では、まず観光の本義について学びました。観光学者の大橋昭一は、観光の本質は「人が動く」ところにあるとしています。そして人が動くためには「道」が必要となります。歴史上初めて幹線道路ができたローマ帝国時代から、日本で初めて幹線道路ができた奈良時代の話まで、教員から道の歴史について詳しく解説がありました。
また、観光の原点となった「グランド・ツアー」についても話がありました。グランド・ツアーとは17世紀後半から18世紀にかけて、イギリスの青年貴族達の間で流行したツアーで、その目的は主に教養を身につけるためのものでした。それが通俗化することで、今私たちがよく知る観光の姿にだんだん近づいていったのだそうです。
その後も、産業革命によって人々の働き方が大幅に変わったことや、鉄道の普及により人々の気軽な長距離移動が可能になったことなど、様々な歴史的出来事が観光に与えた影響を考察しました。
講義の後半では、豊岡にあるコウノトリ但馬空港について学びました。
コウノトリ但馬空港では、これまで空港の位置を示してきた無線標識VOR/DME(ボル・デメ)を老朽化のために令和3年3月に廃止しました。しかし、豊岡市街地を一望できる高台に設置されておりシンボリックな存在であること、撤去するには費用もかかること等から但馬地域の観光資源としての新たな活用を検討しています。そこで、但馬空港ターミナル株式会社様と本学が連携して、この課題解決のためアイディアを検討することになりました。
翌週、講義の一環で豊岡総合高校の生徒のみなさんと合同でコウノトリ但馬空港を訪問し、実物のVOR/DMEを見る機会がありました。
その後、コウノトリ但馬空港の職員の方々から地域の高校生とともにVOR/DMEについての説明を受け、更に理解を深めました。
これから、学生たちはグループに分かれてアイディアを具体的に練っていきます。年明けにはVOR/DMEの新しい活用方法について発表会を開催する予定です。