留学生インタビュー
SCHMIEDEL CORNELIA PAULAさん
(ドイツ・トリア大学、期間:2024.4~2024.9)
今回は、座右の銘が「一期一会」のSCHMIEDELさんにインタビューを行いました。
Q1. CATに留学しようと思ったのはなぜですか?
2014年に神戸大学で交換留学生として1年間留学をしていた時に、鈴木忠志さんという演出家の作品と出会い、日本演劇に興味を持つようになりました。その後、神戸大学の大学院に留学し、さらに深く日本演劇について学びました。2016年に、平田学長がドイツのハンブルク州立歌劇場で演出を手がけた「海、静かな海」を観劇したことをきっかけに、平田学長の演劇について研究したいと思うようになり、今回の応募に繋がりました。
Q2. CATでどのような授業を履修しましたか?
「空間デザイン」の授業では、山奥の廃れた日本家屋の模型を作成し、太陽の光がどのように家屋の中に入ってくるかをデザインしたのがとても楽しかったです。日本家屋特有の格子戸を使い、光が美しく入るように工夫をしました。また、聴講した「コーチング論」では、日本人学生とペアワークを行い、実際のシチュエーションで使える様々なコーチング方法を学びました。平田学長の「演劇入門」の授業では、ドイツで活躍した演出家ブレヒトについて日本人学生に紹介しました。
Q3. 特に印象に残っていることを教えてください。
舞台芸術基礎実習の企画で、「胸騒ぎの放課後(作:金杉忠男)」という作品に演者として参加することができました。30代の自分が元気いっぱいな小学生を演じるのは簡単なことではありませんでしたが、作品に携わっている学生や俳優の方と協力しながら、一緒に演劇を作りあげていくというとても貴重な経験ができました。本番では緊張してセリフが飛んでしまうハプニングもありましたが、周りの仲間に助けられながら無事に公演を終えることができました。
Q4. 授業以外にどんなことをしましたか?
7月に約3週間かけて、兵庫、奈良、京都、和歌山、滋賀、三重などの近畿地方を巡る旅を決行しました。日本の美しい風景をたくさん見ることができて大満足の旅でした。特に、歴史ある伊勢神宮は素晴らしかったです!
また、豊岡ファミリー制度を利用して、養父市にお住いのドイツ人の方を紹介してもらいました。故郷から遠く離れた場所で、同じドイツ人の方とお話しできるのはとても心強かったです。豊岡の様々なコミュニテイーも紹介していただき、地元の方と交流することができました。
私は、ドイツ語を教える資格を取得しています。せっかくなので、ドイツ語を勉強したいCATの学生を自分で集めて、ドイツ語学習会を実施しました。たくさんの学生が参加してくれて、ドイツのことやドイツ語について楽しく学んでもらえたと思います。
Q5. 大変だったことはありますか?
大変というわけではありませんが、全体的にCATの学生は授業やサークル活動等でずっと忙しいので、何かしようと思ってもタイミングがなかなか合わないところがありました。
Q6. 豊岡での暮らしはどうでしたか?
もともと田舎が好きなので、豊岡での暮らしは快適でした。車も自転車も持っていませんが、ドイツ人の骨はとても丈夫なので(笑)、重い買い物袋を持って大学寮まで帰るのも苦ではありませんでした。小さな町ですが、必要なものはすべて揃っていますし、何よりも自然に囲まれたこの場所が私は大好きです。城崎温泉や、お隣の京丹後市の琴引浜にも足を運びました。ここだけの話、ヨーロッパの海と比べ物にならないぐらい日本海は澄んでいて美しいです。
Q7. 日本語は上達しましたか?
日本での留学生活が長いので、日本語は問題なく話せるのですが、ドイツにいる間は日本語からしばらく離れていて、今回の留学で再び日本語能力を取り戻すことができたと思います(笑)ただ、言葉は常に変化しているので、日本人学生から新しい言葉も学びました。
Q8. 未来の留学生にアドバイスはありますか?
CATには人間として成長できる仲間と環境がそろっていると思います。この大学には、明確な目標を持って、積極的に行動する学生がとても多いです。そのため、留学生のみなさんには、ただ言われたことをするだけでなく、自分がやってみたいことを積極的に実践して欲しいなと思います。声を上げれば、必ず一緒にやってくれる仲間が集まりますよ!
Q9. 将来の目標を教えてください!
まずは、今所属しているドイツのトリア大学で修士論文を書いて、卒業することです。その後は、また大好きな日本に戻ってきたいと考えています。今まで得た知識を生かして、日本の大学で先生として、ドイツ語や演劇学などを教えたいと思っています。それがCATなら最高ですね(笑)
9月末に帰国予定のSCHMIEDELさん。これから富山の利賀村演劇祭、そして豊岡演劇祭、最後に鳥取の鳥の演劇祭で日本の演劇をたっぷり楽しんでから帰国されるそうです。
CHO JAEBINさん
(韓国・中央大学校、期間:2023.10~2024.2)
留学生1期生として、本学に半年間留学をされたCHO JAEBINさんからお話を伺いました。
Q1. なぜ芸術文化観光専門職大学(CAT)に留学しようと思ったのですか?
もともと日本文化に興味があり、日本には旅行で何度も来ていました。韓国では演劇を専攻しているのですが、授業の中で日本の演劇を見ることがあり、そこから日本の演劇に興味を持つようになりました。韓国で平田学長の作品をよく見ていました。そして、中央大学校とCATが協定を結んでいることを知り、大学生活の最後に留学したいと思いました。
Q2. 本学でどんなことを学びましたか?
韓国では、演劇作品を作ることを学んでいましたが、CATでは演劇を使ったコミュニケーションの取り方や、地域と芸術の繋がりについて学ぶことができたのでとても新鮮でした。CATの授業では、”なぜ芸術活動を行っているのか”を学ぶ機会が多く、芸術(演劇)とはただ作品を作って売るのではなく、人々の生活にまで広がっているものだと感じました。
Q3. 留学中、大変だったこと、苦労したことはありますか?
自分は前向きな性格なので、あまり困ることはありませんでした。でも私が困っていると、同じ部屋に住んでいる友達がいつも手を差し伸べてくれました。日本語について質問した時も友達が自分の質問を面白がって答えてくれるので、遠慮することなく何でも聞くことができました。
Q4. 留学中の楽しかった思い出を教えてください
同じ寮の部屋に住む友達3人と一緒に演劇を作ったのが本当に楽しかったです。友達の1人が「このメンバーで何かやろう!」と言い出したのがきっかけでした。脚本は主に私が書きました。練習の日程がなかなか合わなかったり、言葉の問題で言いたいことをうまく伝えられず悔しい想いをしたこともありましたが、諦めずに最後までやりきることができて良かったです。公演には100人以上の方が来てくださり、最高の想い出になりました。
Q5. 豊岡での暮らしはどうでしたか?
韓国のソウルで大学生活を送っている時は飲みに行くことも多く、あまり健康的な生活ではありませんでした(笑)でも、豊岡に来てからは、朝早く起きて豊岡の街中を走ったり、大学のジムで運動したりして健康な生活を送ることができました。地域の方ともたくさん交流する機会があり、お正月にはご自宅でおせち料理を食べさせてもらいました。
Q6. 授業以外にどんなことをしましたか?
大学と地域を繋ぐイベントに参加してチョークアートやフラッシュモブに挑戦、学祭のお化け屋敷に出演、日本人学生に韓国語のレッスン、江原河畔劇場での実習に参加するなど、様々な経験をしました。他にも但馬周辺はもちろん、京都、大阪、奈良、神戸、そして沖縄や北海道まで旅行して色々な日本を見ることができました。
Q7. 未来の留学生に何かアドバイスはありますか?
CATには、自分がやりたいと思ったことに挑戦できる環境があると思います。留学生の数も大きな大学に比べると本当に少ないので、日本語の上達も早いです。個人的には、この留学は自分の芸術観を振り返る良い機会になったと思うので、悩んでいる時期に留学するのも良いかもしれません。親切な方が多く、学内でもたくさん声をかけてもらいアイドルのような気分になりました(笑)
Q8. 最後に将来の目標を教えてください!
大学卒業後も演劇を続けていく予定です。舞台監督の仕事も決まっているので、これからは現場で着実に経験を積んでいきたいと考えています。演劇の学びを深めるために大学院に進むことも視野に入れています。