無名
第118回学生ブログ【四季オリオリ座】「45日とその先これから」
皆さん初めまして。芸術文化観光専門職大学3期生、四季オリオリ座所属の無名です。芸観大の四季をオリオリ、お届けします。
さて、今回の学生ブログのタイトルに含まれている「45日」ですが、去る4月4日、4期生の入学式からこのブログを執筆している現在5月19日までの経過日数です。もうそんなに時間が経ってしまったのか……と、私自身計算しながら軽くショックを受けています。私の頭の中ではまだ桜の花びらが散っているのに、実際に外を歩いてみれば在るのは、つい数週間前まで芽だったはずの大きな葉と、そのコントラストをバチバチに強調させてくる強い太陽光と、そして2、3歳しか歳の違わない高校生を見て「若いなぁ」と思うようになった自分の感性です。時の流れって早い。
過ぎ去った時の話をしてまた日が暮れてしまったら本末転倒なので、その先これからの話をしましょう。
この先これから、芸観大ではあと1ヶ月半ほど座学メインの講義が続き、夏になれば実習やワークショップといった内容の講義がメインの第2Qへと移ります。一般的な大学であれば夏休みにあたる期間ですね。芸観大生は忙しい、というのはこれまでの学生ブログの中で恐らく何度も何度も繰り返し出ている話でしょうし、その辺りのスロットみたいに目まぐるしく変わる情緒やら環境やら諸々については今回は割愛します。では実際にその忙しい日常の中、芸観大生はどんな勉強や探究活動をしているのか、気になっている方は多いのではないでしょうか。「芸術文化観光専門職大学」と、何をしているのかは確かに名に表れていますが、じゃあ実際芸術文化について勉強する、観光について勉強すると考えてみると、その学びの入り口がどこにあるのかは想像つきづらいですよね。
今回はこの先これから、芸観大に入って学びたいと思っている方、そして芸観大に興味を持ってくださった方、興味はあるけど具体的に何をやっているのかがわからず不思議に思っている方に向けて、私が実際に受けて楽しかったな、これ良かったなと感じた講義を少しだけ紹介します。
(※注意:以下に紹介する講義は筆者が1回生であった2023年度に存在したものであり、今後の状況によっては閉講、もしくは大幅な講義内容の変更が起こる可能性があります。あくまで「こんな講義もあるんだな」「こんな勉強をしているんだな」といった参考程度にご覧ください。)
①統計学
1年第1Qより受講できる基礎科目です。「芸術文化と観光を学ぶ大学で統計学?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、意外と役に立つんです、これが。
統計学というのはデータの集団や標本からその傾向を見ることができ、そして過去や現在、未来についてもある程度推測ができるようになる学問です。データ(事実)を並べて出る結果というのは極めて客観的で、どうしても思考が行き詰まった時、視野が狭くなった時に統計が示してくれたその客観的なデータを見ると、「あれ?なんで私、こんな簡単なことに気づかなかったんだろう?」と重大な問題に気づけることがあります。
例えば、各公演における集客人数と曜日や季節の相関だとか、公演後のアンケートから得た評価とお客様の男女比・年齢層の相関から、演出上の問題が見えてくるだとか。
受講人数もそこまで多すぎず、わからないところがあれば手を上げてもう1回解説をしていただく、というシステムのおかげで、数学が壊滅的に苦手な私でも無事に単位を取得することができました。
役者と観客、企画者と顧客、何かを作り自分が主体となっていると忘れてしまう、いつの間にかそこに相手が居たことを忘れてしまう、今一度「客観」を取り戻したいという時にもの凄く役に立ちました。
②観光資源実習
1年第2Qより受講できる職業専門科目です。講義内容をざっくり簡単に言うと、「豊岡にある文化・観光施設を訪れ、そこでの課題を発見し、解決に取り組む」というものです。
私は豊岡市日和山に位置する水族館「城崎マリンワールド」へ赴き、城崎マリンワールドの課題発見・解決に取り組みました。今回の学生ブログのサムネイルになっているこの海の写真は、その際に撮影したものです。確か東にレンズを向けた記憶があるので、これは兵庫〜京都にかけての海岸線だったと思います。
実際に自分がその立場に立ってみないとわからない施設運営に関する苦悩や葛藤を知れたのも大きな経験でしたが、「そういった施設に訪れる」という行為そのもの、それ自体に大きな価値があったと思います。
私がこの観光資源実習を履修したのは1回生、入学から数ヶ月経ったとはいえまだ新しい環境に慣れておらず、かなり気が張っていて疲れており、入学から「どこかに遊びに出かける」という行為を全くと言っていいほどしていませんでした。そんな大学と寮とスーパーの往復ばかりになっていた頃始まったのがこの実習です。
実習開始日になり、実際に施設まで訪れてみて驚きました。「足を伸ばせばこんなに楽しい施設があったのに、どうして今まで来なかったんだ!」と。あまり知られていませんが、城崎マリンワールドには日本一の深さを誇る水深12mの水槽があります。私は兵庫県出身でありながらもこの日本一深い水槽の存在を知らなかったため、年甲斐もなく非常にはしゃいでいました。
日常にそんな「あの施設は楽しい」「あそこに行けば良い気分転換になる」という場所ができ、ようやく自分が豊岡という地域に住んでいるんだなという実感が湧いたような気がします。
そして自分がこれからその作り手側に立つ可能性も十分にあること、先程の統計学の話にも繋がりますが、その立場に立った瞬間見えなくなるものがあることをよく学べました。
ざっくり手短な話にはなってしまいますが、今回はこの辺りで筆をおこうと思います。
4期生の皆さん、改めましてご入学おめでとうございます。新天地で始まった45日間、どのようなことを感じられたでしょうか。
そしてその先これからの日々、芸観大を目指す方々へ。どうか自分の持つ自分なりの戦い方で、この門戸を開けるよう祈っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。さんきゅー。無名でした。