つんつくつんつん
特別編:学生BLOG【二人三記】「必読必見!TYT特集!」
とっても遅くなりましたが、たじまユースシアター!
TYTについての特集です!!
TYTとは、名前の通り但馬地域に住む青年たちに向けた演劇作品を届ける、芸術文化観光専門職大学(以下CAT)のプロジェクトです。
このプロジェクトは、CATに在学する学生が「舞台芸術実習」という授業で作品を作り、2023年7月は学内での公演、2024年11月は学外での公演を目標に行われました。
今回は、TYTによって但馬に届けられた作品「Q学」について、担当教員であり演出家の田上豊先生、役者を務められた中川さんにインタビューを行ってきました。
次回この実習を取ろうと思っている生徒は必読必見!
また、CATを目指す高校生や、TYTってなんだったんだろう?と思われている方にもぜひ読んで頂けたらと思います。
まず、今回行われた「Q学」の内容について触れていきましょう。
Q学は、高校の表現選択科目のなかで「演劇」を選択した癖ものばかりの問題児たちのお話。
非常勤講師(自称演劇人・劇作家)の授業は不良の巣窟となってしまうが、その中で互いに絆を深め合う生徒たち。
ある時、研究授業として作品を発表しなくてはならなくなる。
非常勤講師の一声で、「走れメロス」を題材にしてお芝居を作ろうとするが、、、
といった感じ。
ネタ満載!(どこからネタと言えばいいのか・・・笑by田上先生)
笑いに感動、生きていく上で誰もが抱えていく悩みをダイレクトに感じることができる、高校生の若々しい演劇です。
では、どうしてこの作品を選ばれたのでしょうか?
田上さんに伺ったところ、
勘!
え、勘なの?!と最初そう言われた時は驚きました。
実は舞台芸術実習は、TYTとパフォーミングアーツプロジェクト(PAP)と二つ種類があります。
並行して行われるPAPは、学内で公演を行う、大掛かりな舞台がありました。12月にCATの学生・教員たちと外部講師の方々、によって行われています。こちらの負担も考えて、外へたくさんの美術の持ち出しや手の込んだことが難しいということもあったそうです。
個人的には、高校生から大学生になって1、2年の人が多い中で、役者の年齢層の近さなども考慮に含まれていそうだなーと思ったり。
でも、やっぱり年齢層が近いとは言え1、2年経つと環境に応じて人は変化します。
役者の中川さんは、
「大学3年目のキャストが多かったので、みんな結構落ち着いちゃってて、高校生と大学生のテンションの差があるところが難しかったです。田上さんには、耳にタコができるくらい『それは大学生のテンションだよ!』と言われて笑 でも、演劇部みたいに一つのことにみんなで取り組めて楽しかった」
とおっしゃってました。
ちょっと前に辿っていたはずなのに、大学生になると急激にできなくなってしまうあのノリ!
練習が夜にあるので、昼は大学生で夜は高校生になる!
そんな練習風景の裏側、演出についての質問もしてみました。
ズバリ、こだわりは!?
こだわりというより、(RedとYellowとWキャストだったので)取り組む上では新作2本作る感じで、役者がみんな違うので、戦術は一緒でも全く違う作品ができる感じだったそうで。
役者視点では、
チームの雰囲気で、話し合いとかはほとんどなくて。結構みんなの勢いで。
もう一つの方のチームは、話し合いをしっかりしているチームだったっぽくて、でも、お互いの空気感は違うけど、それぞれが自分たちがこう進めたらうまくいくのを何となく把握してたから、うまく行ったそうです。
今回の作品「Q学」についても少し掘り下げて聞いてみたところ、
中川さんは、
「一見面白い、武勇伝とかみたいなその時流行ったギャグや、大人から見れば少し馬鹿馬鹿しく思えるような会話、ギャルっけのある雰囲気。よくよく考えたら、思い出して、心にじんわりと残るような考えさせられるようなポイントがあります。後から、1週間後くらいにポロポロと感想がこぼれ落ちてきて、セリフが心で生きているような良さがあります。」
田上さんは、
「TYTのプロジェクトとして、自分が伝えたかった一種の「奥義」みたいなものを共有して、演劇で誰かに伝えること、但馬に届けること、作品の意味など、Q学で学生として一人の演劇人として伝えたかったことを、しっかり学生たちは受け取ってくれたと感じています。」
と、楽しそうにお話しされていました。
PAPもTYTも、外部講師で来られるアーティストの方々と向き合って作品を作る時間というものがとてもいい時間になっていることが受け取れます。
今年始まったばかりのTYT。
昨年までは、PAPを半年に一回のペースで完成させるとても忙しくて大変な実習だったそうです。
もうさまざまな学生ブログで読み飽きた、聞き飽きたとは思いますが、みんな時間ない!が常のこの大学。
卒業単位取らなきゃだしね、生活のためにバイトしなきゃだしね、サークルも大事だよね、
とたくさんやることも多いので、TYTのように前後半で学期を跨いで作品を作るこのペースがある意味よかったのかもしれないという話も。
時代が変わって、アルバイトも尊重して稽古と同じくらいのウェイトの大きさで取り扱うようにと言われるようになり、社会に少しでもこういった考え方が浸透していくこと、そしてこういった環境で学生時代舞台制作に関わった人たちが変えていくことも期待されているようにインタビューから感じました。
中川さんは、同時期に他にも二つお仕事を抱えていたみたいで、
昼は学業、夜はQ学、稽古がない日は別の稽古(×2)、週末バイト!
ヒェ〜
喉から声にならない悲鳴が出てきそうですね
。
「3年目になれば精神も落ち着いてきて、できるようになります。慣れです」
・・・・・・せ、せ、先輩の、逞しさが、眩しいです。
こんな3年目が迎えられるように、次年度は2年生になる私は「先輩になるの!?怖い!」と叫びながら新入生の皆さんをお待ちしております。
TYTには、但馬ユースシアターという名前であることからもわかるように、
高校生を中心とした世代に見にきてもらうことを目的としていましたが、今回はなかな広報でそちらに時間を割くことができずにいました。
いい意味では、そういった宿題が残ったと言えると田上先生。
「呼ぶのが難しければ、行けばいいのではないか!」
この視点は、学生たちの中で話し合われて、TYTというプロジェクトで新しく視界が開けた部分でもあると言います。
小学校や中学校の芸術鑑賞会などに大学生が呼ばれる未来もあるかもしれませんね。
「セットのない舞台は、こういう時に機動力を発揮するんだ!」(by田上先生)
何一つとして同じTYTもPAPもありません。参加することで全て得られることが違います。
舞台芸術の醍醐味、とも言えるでしょう。
だからこそ、どんなに苦しいことがあっても最終的に作って良かったと思える作品を作れるように、誇りを持って、取り組んでいきたいと背筋が伸びました。
作る側が楽しめないと、それが観客に伝わってしまいますしね!
さて、長くなりましたが、最後にインタビューを受けてくださったお二人から、これからCATへ入学する、目指している人たちへのメッセージをいただいていますので、お伝えして、終わりにしようと思います。
中川さん
「大学じゃないです!って、伝えますね。いやまず、大学じゃなくて、ここは専門職大学なんです。大学じゃないけど、専門学校でもないし、ここでしかない、出会い(人も経験も含めて)がそりゃあもう巻き舌になるくらいあるので、ここにきてくれたら色とりどりの先輩に囲まれ、揉まれながら、目指すと決めた方には、それに向かって突っ走っていただきたいですし。最近はコロナも明けて、いろんなことが自由になってきているので、コロナ禍で受験や大学生活を送っていた私には経験が違うからかける言葉はわからないけど、でも、努力は絶対、報われるとは言えないけど、無駄にはならないから、頑張ってほしいなぁって思います。先輩は待ってます!お迎えする準備はできています!」
田上先生
「舞台芸術実習に限って言えば、基礎実習(1回生で取り組む授業)が新しくなってきてるんで、専門的かって言われると、専門をどう捉えるかにもよるけど、非常に豊かな創作が始まって、ここでしか味わえないものが、得られるような実感があるし、この作り方が邪道だというならそれは仕方のないことかもしれないけど、非常に最先端なものがここに今あるな、という感じがするので、そういう意味では触れてほしいな、と思いますから。まあ、予想がつかないことが起こるのはいつものことで、それも新しい大学の強みですけれども、非常にバージョンが上がっております。すごく今いい時期だよね。ぜひ、その空気感を体で浴びに来てほしいと思います」
演劇ばかりではなくて、ダンスが作品の中に組み込まれて。
また、たくさんの進化が見られるであろうこの大学や舞台芸術実習。
学年によっても個人によってもそれぞれが違う気質を持っています。
だからこそ、先輩たちへ憧れや心強さを感じながらも、ちゃんとそうなれるだろうか、不安を抱えることもあります。
例えば、「ちゃんと大学生になれるかな」みたいな漠然とした不安感。
きっと大丈夫です、転んでも、疲れて気を病んでしまっても、自分がしっかり向かっていきたい方向へと地に足をつけて行けばきっと。
ちなみに、田上先生からは
「エントリーするのを迷ったら迷わずGO!」
「来年2年生になる1年生も、恐れず飛び込んでくるがいい(きてください)!!」
ともおっしゃっていたので、一回思い切って踏み出してみることも大事かもしれませんね。
それではまた!どこかでお会いしましょう!
つんつくつんつん